古地磁気学で使う用語集

古地磁気・岩石磁気で使用する用語を簡単に説明します。 古地磁気学・岩石磁気学では、非常に多くの略語(英文字3文字のものが多い!)を用いますので、あわせてそれらのリストも作ります。

熱残留磁化 (TRM: Thermoremanent Magnetization / Thermal Remanent Magnetization)

  • 岩石が冷える過程で、磁性鉱物が結晶ごとに異なるブロッキング温度を下回った瞬間に獲得する磁化
  • 他の残留磁化と比べて安定していて、強度も強い。
  • 主に火山岩の古地磁気学の対象となる。
  • 強度測定(テリエ法など)の対象となる。

堆積残留磁化 (Detrital/Depositional Remanent Magnetization)

  • 堆積物・堆積岩が保持する自然残留磁化の総称
  • 磁性鉱物が堆積時、あるいは堆積後の地質学的に短い時間に統計的に地球磁場の方向を向く。
  • 熱残留磁化に比べて弱い
  • 地磁気永年変化の連続的な記録を持っていることが期待される
  • 海底面より数〜数十cm下のある幅をもって磁化が固着すると考えられており、記録としては短波長成分が失われている可能性がある。

等温残留磁化 (IRM: Isothermal Remaent Magnetization)

  • 温度や磁性鉱物の化学的変化なしに、周囲の磁場の影響で獲得される残留磁化の総称
  • ある意味、磁気履歴曲線上の動きで説明可能?
  • 例:実験室内常温印加磁場による磁化、落雷による磁化

非履歴残留磁化 (ARM: Anhysteretic Remanet Magnetization)

交流消磁 (Alternating Field Demagnetization)

熱消磁 (Thermal Demagnetization)

ブロッキング温度 (TB: Blocking Temperature)

帯磁率、磁化率 (Magnetic Susceptibility)

  • 磁性体(強磁性体だけでなく、反磁性体も、常磁性体も)に外部磁場(H)を印加したときに磁性体が持つ磁化(M)とかけた磁場の比 (k = \frac{M}{H})
    この値は、磁場と磁化が比例する区間(強磁性体であれば、ごく弱い磁場の範囲)で意味があり、「初期帯磁率」と呼ばれることもある。
  • もしくは、獲得する磁化の磁場による微分 (k = \frac{\partial M}{\partial H})

略語

表にしましょう
TRM → 熱残留磁化

コメント・ご意見をどうぞ

  • 用語集はこちらにしましょう。名前短いのでリンク張りやすいし。 -- はたけやま 2008-06-16 (月) 19:07:54
  • 各種spamコメント全部削除 hatake 2010-07-14

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Last-modified: 2010-07-14 (水) 16:41:37 (5057d)